福岡県では、県政の効率的かつ合理的運営を進めるために、県民の皆さんからのご意見、ご提案をお聴きしています。
ワンヘルスを推進するために森林浴ができるワンヘルスの森四王寺を整備すると報道で見ました。
森林浴がなぜワンヘルスの推進につながるのでしょうか。全く理解できません。
ワンヘルスの推進のために森林を整備する理由や誰が、いつ、それを決めたのか教えていただきたいです。
豊かな歴史に彩られた、まさに県民の宝である四王寺県民の森に「ワンヘルス」などという獣医学の一概念に過ぎない名前を冠するのはやめていただきたいです。
この度は「ワンヘルスの森 四王寺」への御意見を賜りありがとうございます。
ワンヘルス(One Health)とは、「人の健康」「動物の健康」「環境の健全性」を一つの健康と捉え、一体的に守っていくという考え方です。
この考え方は、平成5年(1993年)に開催された世界獣医師会世界大会で採択された「人と動物の共通感染症の防疫推進や人と動物の絆を確立するとともに平和な社会発展と環境保全に努める」という「ベルリン宣言」が端緒とされ、平成16年(2004年)、世界保健機関(WHO)や国際獣疫事務局(OIE)、国際連合食糧農業機関(FAO)など世界中の専門家が感染症リスクの抑制を図る戦略的枠組みとして提示した12の行動計画(マンハッタン原則)を経て、平成24年(2012年)に世界獣医師会と世界医師会が「ワンヘルス推進の覚書」を調印したことで、ワンヘルスの取組は、医学と獣医学の垣根を超えて世界に広まることになりました。
県では、こうした理念の実践に向け、令和4年(2022年)に策定された「福岡県ワンヘルス推進行動計画」に基づき、施策を進めています。
県立四王寺県民の森は、遊歩道コースが縦横に整備されており、利用者のニーズに合わせた森林内での散策が可能です。また、342ヘクタールに及ぶ広大な園内には多様な森林が広がっており、キツネやカワセミなどといった野生生物も生息をしています。このように健全な森林内で散策などを行いながら、生き物の息遣いを感じ、心身を整えることができるなど、人と動物、環境の健全性は一つというワンヘルスの理念を実感することが可能であることから、県では、県立四王寺県民の森を「ワンヘルスの森 四王寺」として整備しています。
今後とも、皆様に親しんでいただける公園管理に努めてまいりますので、御理解と御協力をよろしくお願いいたします。