県民の声 聴かせてください みなさんの声

声の広場

現在位置:ホーム 声の広場 ご意見と回答

福岡県では、県政の効率的かつ合理的運営を進めるために、県民の皆さんからのご意見、ご提案をお聴きしています。

声の広場

カテゴリで探す:ご意見等を内容別に分類したカテゴリ一覧から探す場合はこちらから 担当所属別で探す:ご意見等に回答した担当所属別一覧から探す場合はこちらから 年度・月別で探す:ご意見等を頂いた年月別に探す場合はこちらから

組合せ検索

検索条件を選択してください。
カテゴリで検索
担当所属
受付年月
検索条件クリア 検索
ご意見と回答

寄せられたご意見

受付日 :2025年9月14日
県立高校の定員割れ対策による教育現場の疲弊について (カテゴリ:教育・文化/教育)

県立高校における定員割れ対策が、教育現場の疲弊と制度の硬直化を招いている現状に強い危機感を抱いている。特色化、生産物販売、学校存続運動などの取り組みが、教育の本質を損ない、教員の労働環境を悪化させているからである。

  1. 定員割れ対策としての特色化の限界
    福岡県では、定員割れを防ぐために「魅力ある学校づくり」として特色化を推進している。農業高校や工業高校では、生徒が育てた農産物や製品を地域イベントで販売する活動が盛んだ。しかし、これらの活動は教員の休日出勤や時間外労働によって支えられており、報酬も人員も十分に与えられていない。教育活動の名のもとに、教員が「営業担当者」として扱われる構造は、教育の持続可能性を脅かしている。
  2. 定員割れによる生徒の問題行動と教員の疲弊
    定員割れによって入学した生徒の中には、学力面や生活面で支援が必要なケースも多い。福岡県教育委員会は「定員内不合格は原則出さない」と通知しているが、その結果、授業についていけない生徒や問題行動を起こす生徒が増え、教員の指導負担が過重になっている。支援体制が不十分なまま「誰でも受け入れる」方針だけが先行すれば、現場の疲弊は避けられない。
  3. 学校存続運動による廃校へのハードルの高さ
    定員割れが慢性化している学校に対して、校長・同窓会・県議らが「地域の誇り」として学校存続運動を展開するケースが多い。これにより、統廃合の議論が政治的に封じられ、教育資源の再編が進まない。学校の存在が「地域の象徴」として扱われる一方で、現場では教員が疲弊し、生徒の学びの質が低下している。このような構造は、教育政策の本来の目的を見失わせている。
  4. 制度疲弊を乗り越えるための改革案
    特色化業務の区分と報酬制度の整備:生産物販売などは教育外業務として明確に区分し、専門スタッフを配置する。
    定員割れ校への支援体制の強化:学力・生活支援が必要な生徒への加配教員やスクールカウンセラーの配置を拡充する。
    統廃合の透明な基準とプロセスの確立:政治的圧力に左右されない客観的な基準を設け、地域住民との対話を重視した再編を進める。
    教員の声を反映する制度設計:校長や県議の満足感ではなく、教員の働きやすさと教育の質を評価指標に含める。

教育は、地域の象徴であると同時に、子どもたちの未来を育む場である。

福岡県は、現場の声に耳を傾け、制度疲弊を乗り越えるための抜本的な改革に踏み出すべきだ。

県からの回答

貴重な御意見をいただき、ありがとうございます。

県立高校には県の人材育成ビジョンや、政策課題に対応した教育をそれぞれの特色や伝統を生かしつつ地域に根差した形で実施する役割があると考えております。

こうした中で、県立高校が進める魅力化・特色化の取組は、教育活動の一環として生徒の学びの充実につながるとともに、地域とのつながりを深めるうえでも重要です。

このため福岡県教育委員会では、全県立高校における魅力化・特色化を推進しており、各校の意見要望等も伺いながら、学校ごとの状況に応じた指導・助言及び支援を行っているところです。

なお、魅力化・特色化に向けた具体的な取組は、各学校が主体的に進めるものであり、取組が教職員の過度な負担とならないよう、学校現場の状況にも十分に配慮することが重要であると認識しております。

今後とも教員の負担にも十分に配慮しながら、県立高校の魅力化・特色化と教育活動の充実を図ってまいります。

教育庁 高校教育課

ページの先頭へ戻る