福岡県では、県政の効率的かつ合理的運営を進めるために、県民の皆さんからのご意見、ご提案をお聴きしています。
私は県外から移住してきた者で、現在1歳の子供がいます。福岡に住んでから高校の学区制について詳しく知り、全国には学区制を廃止し県1区制を取り入れている県も多い中、なぜ学区制を継続されているのか疑問に思い投書にいたりました。
福岡に住み始め、新居を探す際に一番に不動産の方から聞かれたことは「どこの小学校に通わせたいとか、どこの学区が良いとかご希望はありますか?」とのことでした。
福岡市では、「◯◯の高校に行って欲しいから、◯◯小学校のある◯◯学区に住む」という考え方で住まいを選択される家庭も多くあると知り、改めて福岡県の根強い学区制の文化を感じるとともに、少し違和感を覚えました。
子どもの将来を考えるにあたり、学区制度の維持は、「子どもにとって」のメリットがあまり思い浮かびません。自身の住まいが何学区なのかによって、なぜ子どもが行きたい学校を自由に受験することができないのでしょうか?(もちろん私立であれば叶いますがここでは公立高校を前提としています)
一方子ども以外の面で考えれば、人気高への集中やそれに伴う他校の生徒減少、定員割れ、教員の雇用、人員調整といったところは想像できます。しかし人気校にも定員があり、他校にも通学や成績の関係で別学区から受験を希望する生徒が出てくる可能性もあります。他県では学区制がなくとも成り立っている現状もあり、ぜひ学区制を継続されている目的、背景をお伺いしたいです。
福岡に長く住んでいないため土地勘もなく、また県政、市政について勉強不足のため至らない表現等あるかとおもいますが、ご回答いただけますと幸いです。
貴重な御意見をいただきありがとうございます。
本県の通学区域については、教育の機会均等と、適切な学校選択の幅の確保とのバランスに配慮して設定しており、県内で50年近くにわたり定着している制度となっております。
通学区域の制度については、受検できる県立高校をさらに増やすよう学区の撤廃を望む声がある一方で、学区の撤廃は、特定の地域や学校に志願者が集中して過度の受験競争を招くおそれがあることや、これまでそれぞれの地域において重要な役割を担っていた学校の一部が衰退し子どもたちにとって進学先の選択の幅が狭まることが考えられることから、反対する意見もあるところです。
このため、現在の制度をすぐに変更することは困難な状況であり、様々な意見を踏まえ、すべての県民の皆様にとってよりよい制度となるよう検討を重ねているところでございます。
なお、特色のある学科・コースについては、県内全域又は地区内で志願可能としています。